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ワルツを踊れ Tanz Walzer
評価:
くるり
Viictor Entertainment,Inc.(V)(M)
¥ 3,045
(2007-06-27)
▼日本のロックバンド初のウィーンレコーディング

くるりが二人組になってはじめてのアルバムです。
詳しくは知りませんが、このアルバムはウィーンで聴いたクラシックに感化された岸田さんが同じくウィーンでレコーディングしたそうで、日本のロックバンドとしてはウィーンでのレコーディングははじめてだそうです。
ウィーンと聴けば基本、クラシック的なイメージがありますが、そのとおり、今回のくるりはうしろにオーケストラを従えた壮大なチューンもあれば、のほほんとしたいつものくるりテイストあふれる曲もあり、大きく変わったようで、変わっていない、変わっていないようで、実は変わっている、なんともくるりらしい一枚です。

▼ハ、ハムたべたい?


クラシック的アプローチといううわさをきいていたのですが、今回のくるりのアルバムの曲名を見て、これまたびっくり。

1. ハイリゲンシュタッド HEILIGENSTADT
2. ブレーメン BREMEN
3. ジュビリー JUBILEE
4. ミリオン・バブルズ・イン・マイ・マインド MILLION BUBBLES IN MY MIND
5. アナーキー・イン・ザ・ムジーク ANARCHY IN THE MUSIK
6. レンヴェーグ・ワルツ RENNWEG WALTZ
7. 恋人の時計 CLOCK
8. ハム食べたい SCHINKEN
9. スラヴ SLAV
10. コンチネンタル CONTINENTAL
11. スロウダンス SLOWDANCE
12. ハヴェルカ CAFE HAWELKA
13. 言葉はさんかく こころは四角 TRIANGLE
14. ブルー・ラヴァー・ブルー BLUE LOVER BLUE<初回盤BONUS TRACK>

確かに、外国の特にウィーンならではな感じのタイトルが並びます。
しかし8曲目、「ハム食べたい」。
ハ、ハム食べたい!?
確かに岸田さんが歌いだしからそういいます。
"ハム食べたい、桃色のハム食べたい"
このゆるゆるチューンはまごうかたなきくるり、そのもの。
いや、くるりというか岸田繁そのものな気がします。
ウィーンでだって、どこだって、確かに影響されはするさ、だけど、根本はもうどうやっても岸田繁なんです。ウィーンの空の下「ハム食べたい」とか「親知らず」という単語がメロディにあわせて歌われていたのかと思うとなんだかとてもおもしろい。
▼多国籍アルバム

ウィーン、ウィーンとやたら書きましたが、オーケストラを従えた曲もあれば、ロックテイストあふれるものもあり、スカ的なアプローチもあれば、レゲエ的な側面もあって、一言でいうならば、多国籍アルバムです。
5曲目「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」ではまさにアナーキー!
ストリングスの音にバンドサウンドが混ざり合い、朴訥としたボーカルがさらにそこに混じる。初期のエレカシのような無秩序さです。
でも、それが岸田さんそのものを表すといっても過言ではない「くるり」という土台の上で完成されています。今までのくるりにはありそうでなかったテイストさえも消化して、自らの一部にしていくこの消化力は驚きです。

また、12曲目「ハヴェルカ」はまさにスカ!ズンチャズンチャという裏打ちに合わせてまるでコサックダンスでもはじまりそうな勢いです。
昭和歌謡のようにも聴こえますね。
途中のコーラスなんかもなんだかシュールでとっても楽しい。
そしてボーナストラック「ブルー・ラヴァー・ブルー」ではのんびりしすぎてレゲエになっちゃった!みたいな感じです。3拍子のリズムに合わせてピコポンポンと聴こえるパーカッションがさらにシュール。夏みたいだけど、思い切り海外の夏にはなりきれない感が漂っていていいです。

▼どこまでいっても「くるり」

前述しましたが、メンバーチェンジを繰り返しながらも、どこまでもどこまでも「くるり」は「くるり」で「岸田繁」は「岸田繁」だなぁとおもいます。
そしてこの「くるり」と「岸田繁」は限りなく同意義なんです。
彼が作る曲がいわば「くるり」というバンド、ひいてはジャンルをも確立しているとさえ思えてくる今作のアルバムです。
| 00:19 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0) |
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